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インタビュー

【フィリピン・セブ発】 セブ島で人気の「居酒屋だるま」「ハッピー相撲」オーナーの大将、山本 治さんにセブ飲食店ビジネスのすべてを聞く!

多くの日本人が観光や語学留学で訪れるフィリピン・セブ島。セブ島は高級ビーチリゾートホテルが建ち並ぶマクタンエリアと語学学校やショッピングモールが集中するセブシティに二分されるが、マクタンエリアで人気の「居酒屋だるま」を営む“大将”こと山本 治さん。昨年にはセブシティに2号店の寿司居酒屋「HAPPY SUMO(ハッピー相撲)」をオープンした。大将と日本から招へいされて初めてセブに入った寿司職人の宮さんに、創業から2号店立ち上げまでにストーリー、「セブで飲食店を経営することのチャンスとリスク」についてインタビューした。


――セブに1店舗目を出店したきっかけは?

16521921_1118066758304724_750829680_n大将 名古屋で飲食店を経営していたのですが、その当時、一緒に働いていたスタッフの女の子がマクタン島(空港があるセブ島と橋でつながっている島)の語学学校のスタッフとして働くことになり、しばらくしてから(2008年頃)その子から、『居酒屋だるま』が居抜きで売りに出ているという情報を教えてもらいセブに『居酒屋だるま』を視察に来ました。当時はボロボロのお店だったのですが、売却価格が安かったこともあり引き受けることにしました。
引き受けたときは、まだ名古屋に数店舗経営している飲食店がありましたが、スタッフにまかせている状態だったので、私はセブに来ても大丈夫な状態でした。ただ、当時は英語が全くできなかったので、その女の子が英語のサポートをするという条件で、とりあえずやってみないと分からないという感じでスタートしたのがきっかけでした。始めた当初は1年間続けば良いなと思って始めました(笑)

――実際に出店してみていかがでしたか?

16521670_1118066304971436_1822152134_n大将 最初の1年は語学の勉強、お店の立て直し(引き受けた時は赤字)、税金、社会保険などのフィリピンの法律の勉強とやることがたくさんありとても苦労しました。最初は各種支払いなどを税理士にまかせていたのですが、お金だけ取られて何も支払われていなかったり、お店のスタッフが肉やお米などの食材を勝手に持ち帰って盗まれたり、仕入れ価格を水増しされその分のお金を取られたりと日本の常識では考えられないことが多発し、まずはそれらを是正するのに自分で全てを把握してチェックするまでが特に苦労しました。いろいろと苦労はあったのですが、セブに来た当初は、何も知らない赤ん坊状態だったので、苦労しても何とか中学生レベルになるまではがんばろうと思って続けて今に至ります。

――どのぐらいの期間で大将が思う中学生レベルになりましたか?

大将 3年ぐらい掛かったかなぁ(大笑)1年では絶対ムリ!(笑)
地元の人を雇用するので、地元の人の気持ちを理解しようと思い、日本人が住めるレベルではないのですが、あえて地元の人が住むエリアに住んだりもしました。

――セブに出店してみて良かったことは?

大将 一番良かったのは、名古屋で飲食店を経営していただけでは会えないような人にいろいろ出会うことができたことです。海外に出てくる人(出張も含め)はいろいろな考えを持っている人が多いので、会ってお話を聞くと自分にも刺激になり勉強になりました。そしてフィリピンの文化を勉強することにより、自分の人格形成にとても良かったです。
あとは、こんな感じでしょか。
・気が長くなりました。
・人を許すということができるようになりました。
・困難なことがあっても諦めずに何とか工夫して解決しようということが身につきました
いま振り返ると、セブに来てからサバイバル能力が一気に高まりました(笑)。

――当初もっていたセブのイメージと実際にセブに来てギャップがあることはありましたか?

大将 海が思ったほどキレイではなかった(笑)。意外とフィリピン人でも真面目で律儀な人もいるんだなぁと思いました。手前味噌になりますが、とくに「居酒屋だるま」のキッチンスタッフは日本に連れて行きたいぐらい素晴らしいです。

――セブの飲食マーケットについてどう思いますか?

16468652_1118066568304743_1584961614_n大将 現在も今後もとてもビジネスチャンスだと思います。キチンと運営すればキチンと売上、利益は取れると思います。私も含め日本人はフィリピン人へのマーケティングが下手なのですが、それがしっかりできれば今後、富裕層や中間層もどんどん増えるので日本食を食べるフィリピン人もどんどん増えると思います。日本人とフィリピン人が半々の客層になるようにしていきたいです。私自身もこれからもやりたいことがたくさんあるので、どんどん出店していきたいと思っています。

――ズバリ、次はどんなジャンルのお店をオープンしたいですか?

大将 フィリピン料理です!だって、フィリピン人たくさんいますからね(笑)。フィリピン料理は意外と美味しいので、そこに日本食のテイストを加えたら、もっと美味しくなるんですよ。

――2店舗目の寿司居酒屋「HAPPY SUMO(ハッピー相撲)」の物件探しはどのようにしたのですか?

大将 セブにはまだまだ店舗物件を扱う不動産屋がほとんどないので、情報を持っている人に声を掛けておくのが確実で早いと思います。人づてに情報を集めるのが基本です。たまにこちらに来て物件を探すだけでは難しいと思います。またこちらでは新しい店舗を1から作ると時間とお金がとても掛かるので「HAPPY SUMO(ハッピー相撲)」もそうですが、居抜き物件でオープンするのが私のスタイルです。

――2店舗目の「HAPPY SUMO」をオープンする際に苦労したことは?

16558708_1118066654971401_1209129647_n大将 フィリピン特有の内装作業の進行速度の遅さ、クオリティの低さ、物件家主との交渉、行政の各検査の進行具合・対応の悪さ、あとは概ね日本で出店するのと変わらないと思います。セブで飲食店を出店する際の注意点ですが、飲食店は100%フィリピン人での名義でしかオープンできないので、信頼できるフィリピン人を見つけるのが一番大事かと思います。日本の国民性とフィリピンの国民性は全く違いますのでフィリピン人スタッフを雇用することに慣れるまで大変かもしれません。
その他の業務(接客や食材管理)は、日本の飲食店をさほど変わりません。ただ、日本より全てが遅れている国なのでいろいろなことに時間がかかったり、日本のようにスムーズに行かないことがたくさんあります。

――セブに進出を考えている方に何か一言お願いします。

大将 せひ、進出してください!やはり競争があったほうが良いサービスが生まれると思いますし、扱い量が増えれば日本食材の仕入や価格も安定してくると思いますのでぜひみんなで盛り上げて行きたいと思っております。これからは日本食全般というお店よりも、何かに特化したお店の方が面白いと思います。

【宮ちゃんへのインタビュー】

――日本で20年以上の寿司職人経験があるのに、なぜセブに来たのですが?

16507453_1117082608403139_1442034024_n 宮ちゃん 日本に閉塞感を感じ、このまま同じ会社にいても自分が成長できないと思い、それまでは海外希望というわけではなかったのですが、人の縁もありセブで働くことにしました。また、以前から寿司居酒屋のような業態を自分でもやってみたいと思っていて、今回、自分の希望するお店に近い形で大将が出店するということになり、これはチャンスだと思ったのがセブに来る決断をする大きな理由でした。

――実際にセブでお店を運営してみてどうですか?

宮ちゃん 今までは、外から見ていただけだったので大変さが分かりませんでしたが、実際に自分でやってみると本当に大変です。日本だったら阿吽の呼吸で通じることも、1から教えないといけないですし、教えてもすぐに忘れちゃったりして(笑)。また、チェックすることも日本に比べてかなり多くて大変です。フィリピン人スタッフと一緒にやるのが一番大変ですね。

――英語は大丈夫ですか?

宮ちゃん 身振り手振りで教えたり、グーグル先生に教えていただいたり(笑)。あとはマネージャーに通訳をお願いしています。

――フィリピン人のお客さんは来ていますか?

16521961_1117602691684464_1409438421_n宮ちゃん 開店して間もないのに意外とフィリピン人のお客さんに来ていただいています。日本人とフィリピン人の客層が半々になるのが目標です。最近、鍋料理が良く出るのですが、フィリピン人は塩バター味が好きなようなのでビックリしています!

――フィリピン人は生魚を食べる文化がありませんがフィリピン人の反応はどうですか?

宮ちゃん サーモンとツナ(マグロ)はよく食べています。他の魚はあまり出ません。とくに光物はダメみたいです。

――魚の仕入はセブ(フィリピン)で調達ですか?

宮ちゃん 基本的にはこちらの市場で探しています。生け締めとか氷詰めとかの技術が無いので新鮮な魚を探すのが大変です。

――セブは暑いですが、何か気をつけることはありますか?

宮ちゃん 日本の夏が1年続くと思って気をつけています。

――今後の目標はありますか?

宮ちゃん まずはこの「HAPPY SUMO」を軌道に乗せ余裕が出てきたら、ローカルの人向けに手軽な価格で日本食が楽しめるお店ができたらなと思っております。

(聞き手/瀬戸 宏幸)


山本 治[大将](やまもと おさむ)氏プロフィール
1968年生まれ
32歳で脱サラ後、飲食業の世界へ転身。39歳で独立し、名古屋で8店舗経営。縁があり2010年に渡セブし、セブにある日本食レストラン『だるま』を引き継ぐことに。そして昨年、セブ初の寿司・生魚に特化した日本食レストラン『HAPPY SUMO』をオープン。
宮内 謙全[宮ちゃん](みやうち のりたけ)氏プロフィール
1974年生まれ
埼玉県花咲徳栄高校卒。金太桜鮨本店23年勤続後退職。日本で寿司・魚を極めた経験を生かし、セブ在住の日本人をはじめフィリピン人に寿司、生魚の美味しさを伝える。

店舗データ

店名 HAPPY SUMO(はっぴーすもう)
住所 The Orchard Hotel A.S. Fortuna, Bakilid, Mandaue City
アクセス J-center mallより徒歩約5分
電話 0324200650
営業時間 11:00~14:00 / 17:30~22:30
定休日 月曜日

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