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インタビュー

かんてきや・Kantekiya Japanese Dining 〜店舗ごとに異なったメニューと食材の提案で”お客さまを楽しませる”〜ボナータイランド マネージングディレクター 森 純一郎氏インタビュー!

九州地方を中心に介護事業(100施設)、カラオケ事業(1,000店舗)、飲食事業(20店舗)を手広く展開する東証一部上場企業のウチヤマホールディングス。子会社の株式会社ボナーのタイ法人「ボナータイランド(Bonheure (Thailand) Co., Ltd.)」を設立し、初の海外事業として居酒屋業態の「かんてきや・Kantekiya Japanese Dining」をタイ・バンコクにオープンしたのが2014年11月。現在、バンコク・スクムヴィット地区を中心に3店舗を展開する。タイへの出店の経緯、現状、今後についてタイ法人の代表を務める森淳一郎常務にお話を聞いた。


かんてきや・Kantekiya Japanese Diningータイに進出した経緯についてお聞かせください。
森 淳一郎さん(以下森):弊社(株式会社ウチヤマホールディングス)が2012年4月にジャスダックへ上場(その後、2014年9月に東証一部へ指定替え)させていただいた際に、株主さまから様々なアドバイスをいただきました。その中に、海外進出はしないのかと言う指摘があったことがきっかけです。弊社が展開する介護事業、カラオケ事業、飲食事業のなかで子会社が展開する居酒屋業態「かんてきや」の海外展開を決めました。
進出先に関しては、タイが東南アジアの中心に位置しているので、その先の展開を考えた時に、近隣にも進出しやすいかと思い決めました。また取引先が、既に進出を果たしており、状況を色々と聞けたのも要因の一つです。
その後、2014年8月に子会社の株式会社ボナーがタイに合弁会社「ボナータイランド(Bonheure (Thailand) Co., Ltd.)」を設立。その年の11月にアソークに1号店をオープン、その後2015年に2号店、12月に3号店と順調に出店しました。目標は年3店舗だったのですが、なかなか難しいですね。

ー森さんはかなり以前からタイに来られてたそうですが。
森:元々30年ほど前に客船に乗って料理人をやっており、その時に何度かバンコクには立ち寄っています。エカマイのバスセンターは当時からありましたね。船はチャイナタウンの先に着いて、当時はその辺が町の中心でしたね。いまと比べると別世界ですよ。BTSも無い頃でしたので、今日本食レストランを展開しているのが嘘のようです。

かんてきや・Kantekiya Japanese Diningーお店で提供するメニューについてお聞かせください。
森:現在、バンコク都内に3店舗を展開しておりますが、店舗ごとにメニューは変えています。やはり店舗によってお客様の層が違うので、店舗ごとの特徴を反映させたメニューを提供していくことでお客様のニーズにお応えできるよう工夫しています。例えばアソーク店は、場所柄ビジネスユースが多く、宴会やお酒の需要が高いです。そのため、いわゆる”居酒屋メニュー”を提供しています。3号店のプロンポン店などは、駐在員狙いなので完全にファミリーユースが多く、やや和食ファミレスのような感じになっています。そのため、ファミリー向けのメニュー構成にしました。そういう意味では、1号店が一番狙い通りの成功をしていますね。

ーお店で使用している食材はどのように調達してますか。
森:鮮魚に関しては、やはり日本からが多いですが、野菜などはタイで調達していますね。タイの食材のレベルも年々上がっており、個人的にはそろそろ食材を日本から調達するということも減ってくるかと思っています。
かんてきや・Kantekiya Japanese Dining豚肉に関しては、タイのロイヤルプロジェクトで作っている豚を使っているのですが、ホルモン剤を使っていないので、通常は3ヶ月くらいで成長するものが9ヶ月かかるような豚なんですね。最近タイでも生産地にこだわったり、安心できるいいものを食べたいという層も出始めているので、どんどんそのようなものを取り入れていこうと思っています。
鶏肉は普通のものを使用していますが、いま以上の品質のものを目下探しているところです。牛肉は日本の鹿児島から仕入れています。牛肉に関してはどうしてもタイ国内で満足のできる肉質のものが調達できないので、仕方ないですね。

ー来店するお客さんの傾向に特徵はありますか。
森:現状では、アソーク店は、昼は6:4でタイ人が多く、夜も7:3でやはりタイ人が多いですね。トンローのJ-Avenue店は、半々。スクムビットソイ39のお店では9:1で日本人が多いです。
注文される内容に関しては、タイ人にはやはりサーモンが売れます。日本人にはマグロです。あとタイ人のお客さんはトロやマグロの頭を焼いてほしいとか、カマ焼きとかのオーダーが多いです。
お店としては、もつ鍋に自信を持っているのですが、これは日本人のお客さんの方が注文は多いですね。あとタイの方はデザートを注文しません。場所を変えて食べるようです。お酒も持ち込みが多いのもタイ人のお客さんの特徴です。かなりいい酒をお持ちになられますよ、日本酒、ウィスキー、ワイン、なんでもですね。

かんてきや・Kantekiya Japanese Diningースタッフの教育や、求人に関してお聞かせください。
森:現在、スタッフは総勢50名で、うち日本人が4名おります。タイ人スタッフには、レストランのライセンスが取れる講習会などに積極的に参加してもらっていて、スタッフは全員ライセンスを持っています。
あとは接客などの教育も力を入れています。1日2回必ず朝礼をやっており、反省点や気づいたことの申し送りや、声出しなども徹底させています。声出しをすると日本語の覚えも早いんですよ。弊社の理念が”お客さまを楽しませる”なので、そこは力を入れています。
求人に関して言えば、ほかのお店ではいろいろと苦労されてるようですが、弊社ではほとんどが在籍しているタイ人スタッフからの紹介ですね。紹介というだけで身元も担保されますし、打ち解けるのも早いので良いですね。

かんてきや・Kantekiya Japanese Diningー広告、宣伝などの集客はどうされてますか。
森:FacebookとLINE@を使っています。業者に委託しているのですが、タイ人が運用しているので、効果はあるかと思います。

ー今後の展開のご予定は。
森:バンコクにいい場所があれば、新店舗を出したいですね。なかなか難しいですが、アソークにもう一店出したいと思っています。もしかしたら”かんてきや”とは別の業態で出すかもしれません。近隣諸国にも出店したいですね。ベトナムのハノイか、マニラ、ラオスあたりを検討しています。

(聞き手/高岡英樹、まえだひろゆき)

 
森 純一郎(もり じゅんいちろう)氏プロフィール
ボナータイランド(Bonheure (Thailand) Co., Ltd.)マネージングディレクター
1959年5月22日福岡県北九州市生まれ。ホテルや料亭などで料理人として10年間修行後、海外にて15年の経験を積む。その後日本に帰国し、現在勤務している株式会社ボナーに入る。かんてきやのバンコク出店に伴い、2014年訪タイ。以来、かんてきや一号店から現在にいたるまでタイ法人代表をつとめる。

店舗データ

店名 かんてきや・Kantekiya Japanese Dining (Phrom Phong店)
住所 47/1 Soi Sukhumvit 39 , Klongton-Nua, Wattana Bangkok 10110
電話 02-259-3178
営業時間 11:00〜15:30 / 17:00〜24:00(L.O.23:30)
坪数客数 130席(宴会席最大32席)
客単価 600バーツ
運営会社 ボナータイランド(Bonheure (Thailand) Co., Ltd.)
関連リンク かんてきや・Kantekiya Japanese Dining ウェブサイト
関連リンク 株式会社ボナー ウェブサイト
関連リンク ウチヤマホールディングス ウェブサイト

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