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インタビュー

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ホーチミン市場の可能性を知らしめたパイオニア。「De Salita(デサリータ)」で話題沸騰中のロイヤルダイニングの取り組みとは

本社を置く国分寺をはじめ、都内を中心に30店舗の飲食店を展開するロイヤルダイニング(東京都国分寺、代表取締役 井上武夫氏)。同社は、世界的にベトナム経済に注目が集りだした2009年にホーチミンへ進出すると、日本での経験を武器に、瞬く間に市場を席巻した。現在では、バーベキュー酒場「De Salita(デサリータ)」で、現地の飲食シーンを牽引する企業として知られている。その軌跡は、どのようなものであったのだろうか。同社・本部統括マネージャーの張戸栄利氏に、ホーチミンでの取り組みについて話を聞いた。


――なぜホーチミンに進出しようと考えたのですか?

1467215747645きっかけは、当社社長の井上の旅行です。8年ほど前、井上がベトナムに旅行へ行き、ホーチミンの発展に驚いて帰国しました。当時、ベトナムの著しい経済発展は、「VISTA」の一国としても挙げられるほど。もしかしたら、チャンスがあるのかもしれない。そう感じて、社内でホーチミン市場の可能性についてのリサーチが始まります。

ホーチミンでは、すでにいくつかの日系飲食店が進出していました。なかでも、大きな成功を収めていたのが「浦江亭」です。そこで、オーナーの福田氏などにマーケットの状況を聞くなどして、ホーチミンに関する理解を深めていきました。すると予想以上に可能性のあるマーケットであるということが分かってきます。若い年齢層が多く、今後さらに経済の成長が続いていくのに、まだ日系飲食店の進出は少ない。「これはイケる」と手応えを感じて、ホーチミンへの進出が決まりました。

――お店の特長を教えて下さい。

IMG_38182009年、私たちはホーチミンに「大黒屋」をオープンさせました。刺身や焼鳥など、幅広く日本のメニューを提供する総合居酒屋業態です。日本人街もあるホーチミン市1区にオープンしましたが、とても好調な出足でした。日系飲食店の進出が少ないため、ホーチミンの人にとって、まだ日本食が珍しい。だから、出汁巻玉子や枝豆でも喜んでもらえる状況でした。

しかし、ホーチミンのマーケットに変化が起こります。似た業態の店舗が、数多くオープンするようになったのです。ものすごい勢いで経済成長をしているので、マーケットの変化も早い。多くの方が日本食に馴染んできて、瞬く間に客の奪い合いとなります。市場の飽和を、どのように打破していくか。そう考えた末、当社はリニューアルを断行することにしました。そして、2016年3月にオープンさせたのが「De Salita(デサリータ)」です。

当社では、同名の店舗を国内で展開していますが、業態は同じではありません。現地に住む日本人のネットワークを活用して、再び市場の状況を探り、ホーチミン向けに新たに開発をしました。その結果、生まれたのが“バーベキュー酒場”という業態です。ターゲットも、ホーチミンの富裕層や日本からの観光客、そして西洋人に定めます。リニューアルの主な狙いは2つ。「面白いものを作る」と「ビルを丸ごと作り込む」です。ホーチミンの中でも、ひときわ驚きを与えられる店舗を作ろう。「De Salita」には、私たちのそういう想いが込められています。

――店舗運営で心がけていることはありますか?

1467215743790当社では、何よりも現場を大切にしています。ホーチミンでは、日本の常識はまったく通用しません。文化も商習慣も日本と違います。それだけに、現場が重要です。実際に目で見て、肌で感じるからこそ、適切な改善案が出てきますし、より店舗を成長させていくこともできます。

また「De Salita」では、接客で日本語を使っていません。確かにホーチミンでは、日本流の接客を実現すれば、流行ります。しかし、それを日本人がやってしまっては、意味がないのです。特に当店の場合、日本からの観光客だけをターゲットにしている訳ではありません。日本語を使った接客を行うと、日本の方だけが集まる店になってしまうでしょう。そのため、現地のスタッフを採用して、ベトナム語や英語が飛び交う店になるように心がけています。

当店では20名いるスタッフのうち、18名が現地の方で、残りの2名が日本人です。何かあれば日本人のスタッフが日本語で対応しますが、それはあくまでもイレギュラー。基本的にベトナム人のスタッフを教育して、日本流の接客ができるようにしています。

――ホーチミンの魅力とは?

やはり経済が成長しており、若年層が占めるボリュームゾーンが大きいということ。これから市場を牽引していく若者が多くいるので、その分、市場の可能性もまだまだ膨らんでいくでしょう。また、日本食用の食材も、現地でネットワークを築ければ、比較的手に入りやすい状況です。魅力的な市場と店舗運営がしやすい環境。その2つが揃っているのが、ホーチミンだと感じています。

――今後のビジョンは?

張戸様写真まずは「De Salita」を目的地になる店にしていきたいです。ホーチミンに来たから、絶対に「De Salita」に行こう。そういう状況になったら、素晴らしいなと思っています。

併せて、ホーチミン以外での店舗展開も検討中です。ベトナムには、ハノイやダナン、ニャチャンなど、まだまだ可能性の溢れる都市があります。国の成長に併せて、こうした都市のポジションも上がっていくことでしょう。ホーチミンで7年あまり店舗を運営してきた経験をいかして、他のエリアでの展開も成功させていきたいですね。

 

 

(聞き手/大山正、取材/三輪大輔)


株式会社ロイヤルダイニング
2001年創業。東京都国分寺市に本社を置き、国分寺や立川、吉祥寺はもちろん、赤坂や渋谷などに30店舗の飲食店を展開中。同社の主要ブランドは、「De salita(デ サリータ)」や「恵比寿屋」、「焼肉いのうえ」などあるが、チェーン展開はせずに、個店スタイルでの出店を続けている。西東京エリアを代表する外食企業として、今後、飲食マーケットを牽引していくと期待されている企業の一つである。

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