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ハワイアンパンケーキの「モクオラ・ディキシー・ダイナー」がバンコクに海外1号店オープン。新たなライフスタイルが広がるタイの魅力

モクオラ・ディキシー・ダイナー タイ1号店の外観 (C)Nacasa & Partners Inc.
同店の内装 (C)Nacasa & Partners Inc.
同店の主軸となっているパンケーキ
里のうどん タイ1号店の外観 (C)Nacasa & Partners Inc.
同店の内装 (C)Nacasa & Partners Inc.

パンケーキを主軸とするハワイアンカフェ「MOKUOLA DexeeDiner(モクオラ・ディキシー・ダイナー)」が、タイに新風を吹き込んでいる。同店を展開するエーディーエモーション(本社:東京都渋谷区)と、外食企業の海外進出を支援するepoc(本社:東京都港区)は共同で、1月9日、「モクオラ・ディキシー・ダイナー」のタイ1号店をバンコクにオープンした。さらに年内には、ほかの2カ所に店舗を新設する予定。急速な経済成長に伴いライフスタイルが急激に変化しているタイで、中間層を中心とした消費者への訴求を図る。

駅直結の商業施設に出店

「モクオラ・ディキシー・ダイナー」はこれまで、日本の首都圏で店舗を展開し、パンケーキに加え、「ロコモコ」や「ロミロミ」といったハワイアンフードのアレンジメニューを提供。同時に、「癒しの島」「命の島」との意味を持つハノイの島「モクオラ」を店名に掲げる通り、食事や飲み物を楽しみながら癒されるような店舗作りを目指してきた。
こうした「モクオラ・ディキシー・ダイナー」が海外に進出するのは、これが初めて。Epocの佐藤信之社長によると、タイ1号店は、バンコク中心部の商業施設「マーキュリー・ビル(mercury ville)」内に設置されている。
この商業施設は、高架電車(BTS/スカイトレイン)の「チットロム駅」に直結しアクセスが良い上、外資系企業などが入居するオフィスビルが併設されていることで、買い物客からビジネスパーソンまで多数の人の利用が見込まれる。
要となるメニューや店舗作りについては、「日本のものをそのまま持ってくる」というコンセプトを打ち出し、現地にエーディーエモーションのスタッフが入り、味やオペレーション面で指揮を執るなど、日本の高い水準を確保しようと努めている。
オープンからこれまで、外資系企業に勤める日本人や欧米人を引き寄せ、オフィスビルで働くようなホワイトカラー層をはじめ現地の人々を集めているなど、「順調な滑り出し」(佐藤社長)だという。

バンコクで広がるカフェ文化

「モクオラ・ディキシー・ダイナー」がバンコクに出店した背景には、タイでは都市部を中心に生活様式が変化し、カフェ文化が根付き始めていることがある。
タイは他のアジア諸国同様に以前から茶を飲む文化があるが、これまでに米スターバックスをはじめ欧米や韓国といった海外のコーヒーチェーンが進出し、一般の人の間でコーヒーを楽しむ文化が浸透。経済成長に伴う個人所得の伸びもあり、富裕層や中間層を中心に、ただ飲食するだけではなく、カフェでの時間を楽しむといったライフスタイルが広がっているという。実際に「モクオラ・ディキシー・ダイナー」のタイ1号店の客単価は日本円で1,000円ほどというが、この水準の価格をカフェで支払うことに抵抗のない人が出てきている。
タイは自動車産業が集積して、「アジアのデトロイト」と呼ばれるほどに産業が発展し、東南アジア諸国の中でも抜きん出た存在となってきている。こうした発展の背後には、日本企業を始めとする外資の積極的なタイへの投資があり、これに足並みを揃えるように海外の食文化やライフスタイルが流入。そして日本のカフェブームに追随するようにタイでは今まさにカフェの出店が拡大し、「そのスピードは日本以上」(佐藤社長)のようだ。
また、カフェの中にはパンケーキを提供する店も出てきている。富裕層や中間層を中心に、タイでは観光旅行が人気で、日本を訪れるタイ人も多いことから、日本風のカフェやパンケーキの店ができているのだという。
ただし、そうした店舗の中には、まだまだ日本のような高いレベルに達していないケースも少なくない。そこで、epocとエーディーエモーションは、質の高いメニューや店舗作りにより、タイの消費者を積極的に取り込みたい考えだ。

「里のうどん」もオープン

Epocは1月には、うどん店「里のうどん」のタイ1号店のオープンを支援した。場所は「モクオラ・ディキシー・ダイナー」タイ1号店が入居するのと同じ商業施設だ。
「里のうどん」は神奈川県湘南エリアの有名店で、関西うどんとバラ丼を中心としたメニューを売りにしている。
タイで日本食がブームとなる中、うどんもタイ人に好評で、讃岐うどんの「丸亀製麺」が進出するなどしている。タイではもともと麺を食べる文化があることから、うどんが受け入れられている。
「里のうどん」タイ店では、日本から製麺機を取り寄せた上で、現地で麺を打つなど本格的なうどんを提供する一方、現地の人の味覚に合わせた洋風のうどんやサーモンをのせた丼物を揃えるなどメニューのローカライズを図っている。同時に、タイでは飲食店のメニューの豊富なことが人を集める鍵となることから、品数も増やしている。
日本水準のカフェ文化を発信する「モクオラ・ディキシー・ダイナー」と、日本の伝統食を果敢に投入する「里のうどん」。花開くタイの消費文化を前に、さらに日本の食文化が広がる可能性もありそうだ。

(取材=巣内 尚子)

店舗データ

店名 Mokuola DexeeDiner
住所 3F,540 Mercury Ville Tower, Ploen Chit Road, Lumpini, Pathumwan, Bangkok, 10330
電話 +66-2-658-5889
営業時間 10時-22時
定休日 なし
坪数客数 30.3坪 46席
客単価 350バーツ
運営会社 AD Emotion Thailand Co.Ltd.

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