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麦の穂HDができたてのおいしさ”を世界に。讃岐うどん「温や」の台湾1号店をオープン。東南アジアへの出店も計画”

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温や 台湾1号店の外観。和風のデザインが特徴だ
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温や 台湾店が打ち出すオリジナルメニューのつけうどん
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店先には行列も
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温や 台湾1号店が出店したフードコート。家族連れをはじめ多数の人で賑わう
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米ニューヨークの温や海外1号店で経験を積んだ渡辺氏が台湾店に


シュークリーム専門店「ビアードパパの作りたて工房」で知られる麦の穂ホールディングス(本社:大阪市北区、以下、麦の穂HD)が海外展開を広げている。12月1日には、讃岐うどんチェーン「温(おん)や」の台湾1号店をオープンした。これは、米ニューヨークの「温や」海外1号店に続くもの。麦の穂HDは今後も東南アジアを中心に「温や」の出店を進める意向。海外展開を進め、「日本発のできたてのおいしさ」を世界に伝えていきたい考えだ。

台湾に到来した"うどんブーム"

麦の穂HDの海外事業本部長を務める井上慶氏によると、「温や」1号店は、台北市郊外の新興地区にあるフランス系大型スーパー「カルフール」内のフードコートに出店されている。
この新興地区は高級住宅地を抱えるほか、最近ではオフィスや商業施設の展開も進んでいるところだ。週末は多くの家族連れで賑わうほか、平日もビジネス関係者をはじめ人の往来が活発だという。
こうした立地条件の中、「温や」は若者から富裕層まで多様な層の顧客を取り込む狙い。台湾の平均時給は日本円で約400円ほどというが、「温や」台湾店の客単価は200~210元(約700円)を見込んでいる。「ちょっと高めだが手の届く価格設定」にしながら、質の高い料理とサービスで、台湾の消費者への訴求を狙うのだ。
「温や」の台湾進出の背景には、台湾は外資規制がないことや親日的であること、また進出コストが相対的に低いことなどがある。
さらに大きいのは、台湾での日本食ブームとうどんへの注目だ。「温や」の台湾進出をサポートしたアジアインタートレード(本社:東京都中央区)の高木潔社長によると、台湾では日本食が浸透しており、麺類ではラーメン店の出店が相次いできた。一方、ここ最近は、うどんへの関心が高まっているのだという。讃岐うどんの「丸亀製麺」(運営:トリドール)も台湾に進出して顧客を集めているといい、台湾の飲食分野ではうどんが急浮上している。
さらに、台湾で商品やサービスが浸透すると、巨大市場の中国へ波及する可能性が高いことも大きい。高木氏は「中国から台湾への訪問客が多い上、中国人にとって台湾はひとつのブランドとなっており、台湾で流行したものは中国でも価値の高いものとして受け止められる」と説明する。

水の違いを克服、オリジナルメニューも

ただし、「温や」の台湾進出では課題もあった。特にうどんの命とも言える麺やつゆの問題だ。台湾の水は日本と違って硬水のため、麺のこしや汁の味を日本と同じ水準にまで引き上げるのが、非常に難しかったのだという。
そこで、「温や」では、日本と遜色のない味にしようと、試行錯誤を繰り返し、さまざまな工夫を行なった。さらに「温や」ニューヨーク店で実績を積んだ渡辺健一氏を台湾店に招いたことなどで、満足のいく味を常に提供できる体制を構築することができたとする。
同時に台湾店オリジナルのメニューも導入。茹で上げたうどんを汁につけて食べる「つけうどん」を提供する。「うどんのおいしさを一番に味わえる食べ方」(井上氏)という自信作だ。
また、日本酒の枡にご飯と具を入れたどんぶりも取り入れている。日本発の飲食店ということで、日本らしさを打ち出すとともに、価格も39元と手ごろにし、サイドメニューとしてさまざまな味を楽しめるようにしている。これにはカレー、サーモン、マグロなどの種類がある。
12月1日にオープンして以来、客足は順調。井上氏は「まずまずのスタートだが、スタッフのスキルと人数が充実すれば、もっと売り上げを見込める」と強調。「1号店では日本円で月800万~1000万円をコンスタントに売り上げたい」と意欲的だ。

500店舗体制が目標

「温や」の台湾進出は麦の穂HDの海外展開の一環だ。
実は、同社は「ビアードパパ」をはじめ各店舗を世界各地で事業展開しており、国際展開では一歩先行く企業なのだ。進出先はアジアや北米にとどまらず、中東やロシアなどを含む。店舗数は世界18カ国・地域の約210店舗に上っている。
そんな中、今後、台湾では、「温や」を計10店舗体制に引き上げる考え。さらに2015年くらいまでに、シンガポール、インドネシア、タイといった東南アジア諸国連合(ASEAN)各国にも「温や」の店舗を開設したいという。「ビアードパパ」を中心に海外展開を進め、今後3年内で店舗数を500店舗に引き上げる計画だ。
海外展開で強みとなるのが、これまでの海外展開の経験とノウハウ。麦の穂HDは「ビアードパパ」などで国際進出を広げてきたことによって、各地に事業インフラを既に有するほか、各国での事業の経験・ノウハウを持つ。このような事業経験・ノウハウを生かしながら、各地への展開を広げていくという。

「できたてのおいしさを世界に」

積極的に海外に打って出ている麦の穂HDだが、重要視するのは、「世界の人に日本発のできたてのおいしさを届けること」(井上氏)。
「ビアードパパ」のシュークリームに代表されるように、同社の商品は「できたて、作りたてのおいしさ」にこだわっている。台湾の「温や」でも製麺機を導入し、その場で麺を切るなど、麺ができあがるまでの工程を見られるようになっており、地元の人の人気を呼んでいる。
作りたてのおいしさを世界に届けながら、日本の食べ物の魅力を伝え、各国の人に喜んでもらうこと。だからこそ、店舗網をただ広げることに執着するのではなく、着実に質の高い商品とサービスの提供に努めるというのだ。こうした目標に向かう麦の穂HDの商品を各国の人はどう受け止めるのか。麦の穂HDの展開は引き続き注目を集めそうだ。

※このインタビューは、アジアインタートレード株式会社(http://www.apconsulting.jp/)の高木社長にご協力いただいた。アジアインタートレードは、日本企業の台湾進出を全面的にサポートしている。

(取材=巣内 尚子)

店舗データ

店名 温や 大直旗艦店
住所 台北市中山區樂郡三路218號
電話 02-8502-3994
営業時間 11:00~23:00
定休日 なし
坪数客数 35坪 20席(フードコート内は約1,500席)
客単価 250元
運営会社 日商麥之穂股份有限公司台湾分公司

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